ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

家族単位の救いについて

 
 このテーマについて質問がありましたので、記事で答えようと思います。
 
使徒1631
主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」
 
 
●日本の教会の状況
 
 アメリカではだいぶ状況が違うのですが、多くの点でアメリカの影響を受けている日本の教会も、このテーマについては別のようです。
 
 日本では多くの教会やクリスチャンが、上記の聖句を家族単位の救いを「約束」する箇所として信じています。
 
 
●翻訳の影響
 
新国際標準訳(NIV)
"Believe in the Lord Jesus, and you will be saved—you and your household."

主イエスを信じなさい。そうすればあなたは救われます。あなたもあなたの家族も。」 
 
 
 上記の英語の聖句はNIVですが、他の英語聖書もほぼ同じ訳し方です。つまり、まず看守個人の救いについて言いきった後に「あなたもあなたの家族も」というフレーズが来ています。
 
 この違いは小さくないと思います。失礼ですが新改訳聖書も新共同訳聖書も、誤解を招く翻訳の仕方をしていると思います。
 
 
●文脈
 
 この聖句の前後の文脈を見てみましょう。
 
使徒163032
そして、ふたりを外に連れ出して「先生がた。救われるためには、何をしなければ
なりませんか。と言った。
ふたりは・・・と言った。
そして、彼とその家の者全部に主のことばを語った。
 
 
 30節で看守は、使徒たちを「外に連れ出して」います。もうそこは牢獄の中でありません。
 
 さらに32節には「彼と家族全部に主の言葉を語った」とあり、使徒たちと看守と家族がみな揃っている状況で福音が語られています。
 
 つまり使徒たちが31節の言葉を言ったとき、目の前に看守の家族もいたのです。
 
 使徒たちはまず看守の「何をしなければなりませんか」という質問に答えて、
 
 「主イエスを信じなさい。そうすればあなたは救われます」と言って説明し、
 
 あなたの家族も主イエスを信じれば救われます、と言い添えているわけです。
 
 
●正確な会話の流れ
 
 31節を英語聖書の訳文に置き換えて文脈を作ります。
 
使徒163032
そして、ふたりを外に連れ出して「先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか。と言った。
ふたりは、「主イエスを信じなさい。そうすればあなたは救われます。あなたもあなたの家族も。」と言った。そして、彼とその家の者全部に主のことばを語った。
 

 いかがでしょうか。こうなると、日本の教会で信じられている家族の救いの「約束」とは状況が違ってくると思います。

 31節は、あくまで看守とその家族に対する言及であり、すべてのクリスチャンに適用できる「約束」ではない、ということです。


●矛盾する箇所
 
第一コリント716
なぜなら、妻よ。あなたが夫を救えるかどうかが、どうしてわかりますか。また、夫よ。あなたが妻を救えるかどうかが、どうしてわかりますか

 
 夫婦は、家族の最小単位です。しかしこの聖句でわかることは、聖書が伴侶の救いを約束していない、ということです。伴侶の救いを約束していない聖書が、家族全員の救いを約束するでしょうか。
 
 
●救いは個人的なもの
 
 聖書が語っている救いは、個人的なものであることを知っておく必要もあると思います。

マタイ103436
わたしが来たのは地に平和をもたらすためだと思ってはなりません。わたしは、平和をもたらすために来たのではなく、剣をもたらすために来たのです。なぜなら、わたしは人をその父に、娘をその母に、嫁をそのしゅうとめに逆らわせるために来たからです。さらに、家族の者がその人の敵となります。

 
創世記156
彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた
 
 
 上の箇所で信じたのはアブラハムひとりであり、義と認めれているのも彼ひとりです。

 これらの箇所からわかるのは、救いはひとり一人と神の間で起こる個人的なものだということです。
 
 

●まとめ
 
 聖書は確かに家族単位で救われる場面を数多く記していますので、神が家族も救われることに好意的であるのは間違いないと思います。

 しかし家族単位の救いが記されている箇所では、その場に家族も居合わせていることを考慮する必要があります(使徒102728参照)
 
 また聖書で教えられている救いは、個人の信仰を通して起こる事柄です。代表者が信じたら、残りの家族も自動的に救われるという原則を聖書は教えていません。
 
 結果的に家族も信仰に入ることはしばしばあることかもしれませんが、聖書は、必ず家族も救われる、とは教えていないことを覚えましょう。 
 
 
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