ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

天の御国が「激しく攻められている」? マタイ11:12

マタイ11:12は、翻訳や解釈が難しい箇所の一つだと思います。 その理由の一つは、「激しく攻められている」と訳されているビアゾーという動詞が、中動態にも受動態にも取れるためです。 主な邦語訳は、どれも受動態として訳しています。 ●マタイ11:12 新改…

原文における微妙なニュアンスと聖書解釈 ルカ10:18

原文における動詞の時制に注意を向けると、聖書筆者の微妙なニュアンスを理解する助けになります。 ルカ10:18は、その微妙なニュアンスが聖書理解の重要な鍵となっています。 新共同訳 イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを…

ロゴスの永遠性と文語訳の神技 ヨハネ1:1

最近、ひょんなことから「日本聖書神学校」のウエブを見る機会がありました。 その際、以下の説明文を読みました。 一つの例として、ヨハネによる福音書は、「初めに言があった」という有名な言葉で始まります。 「あった」という訳は、今の時点とは無関係…

御霊に「満たされた」「感じた」「捕らえられた」    どれが正しいの? 黙示録1:10

黙示録1:10と4:2は、各邦語訳によって訳語がバラバラです。 この記事では、その相違について考えます。 ●黙示録1:9~10 新共同訳 9 わたしは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかっているヨハネである。わたしは…

聖書協会共同訳のエフェソ1:11に関する考察

聖書協会共同訳のエフェソ1:11は、次のように訳されています。 聖書協会共同訳・エフェソ1:11 キリストにあって私たちは、御心のままにすべてのことをなさる方のご計画に従って、前もって定められ、選び出されました。 従来の邦語訳と異なっているのは、「…

ギリシャ語アエールと携挙

原語が持つニュアンスを知ることによって、携挙に対する皆さんの印象が変わるかもしれません。 特に、アエールというギリシャ語に焦点を当てながら、携挙に関するパウロの見方を探ります。 1テサロニケ4:15~17・新改訳2017 15 私たちは主のことばによ…

「低い所、つまり地上」それとも「地の低い所」エペソ4:9

新改訳・最新版のエペソ4:9を見たところ、次のように訳されていました。 新改訳2017・エペソ4:8~10 8 そのため、こう言われています。「彼はいと高き所に上ったとき、捕虜を連れて行き、人々に贈り物を与えられた。」 9 「上った」ということは、彼が低…

マタイ24章のエクレクトスと患難前携挙説

新改訳の最新版と従来版のマタイ24章を比較してみました。 新改訳2017・マタイ24:22、24、31 22 もしその日数が少なくされないなら、一人も救われないでしょう。しかし、選ばれた者たちのために、その日数は少なくされます。 24 偽キリストたち、偽預言…

「赦しました」それとも「赦します」? マタイ6:12

Kirishinの【聖書翻訳の最前線】新改訳2017 9「主の祈り」を読みました。 マタイ6:12の新たな訳文の話です。 新改訳 私たちの負いめをお赦しください。私たちも、私たちに負いめのある人たちを赦しました。 新改訳2017 私たちの負い目をお赦しください…

「霊において貧しい者たち」に関する考察 マタイ5:3

取り上げる順番が逆だろと言われそうですが、今更ながらマタイ5:3です。 聖書協会共同訳 心の貧しい人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである。 直訳「霊において貧しい人々」 新改訳2017 心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのも…

ローマ12:1と1ペテロ2:2の訳語に関する考察

表題にある2つの聖句には、様々な訳文があります。 日本語としては、どれも意味が異なります。 どうしてこのような事が起こるのでしょうか? まずは、ローマ12:1から見てみましょう。 聖書協会共同訳 こういうわけで、きょうだいたち、神の憐れみによって…