【付録】神はアダムに肉声で語っていた
気づくところがあったとおっしゃっていただけました。
ゆえに協賛記事はもう書きませんが、
思い出したエピソードがあるので付録として書いておこうと思います。
●米国人牧師の誤解
知り合いの米国人牧師と、SNSで討論したことがありました。
彼は、人間の自由意志の能力を強く信奉する人です。
私が、生まれながらの人間は神を求めることができないと言ったところ、
彼は勝ち誇ったようにこう言ってきました。
「でもアダムとエバは、罪を犯した後でも神の声を聞けたじゃないか。
(だから人間は自由意志で、神を求めることができるのだ)」と。
さすが数百人の信徒を抱える牧師さん。よく勉強していると思いました。
そこで私は、「あなたはよく聖書を研究していて素晴らしい」とほめました。
しかし次のように付け加えました。
「でもあのとき神は、肉声で語っていたんだ。だから聞くことができたんだ。」
●肉声を意味するヘブル語「コール」
sound (of instrument)/( 楽器の)音
創世記3:8
そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の声(コール)を聞いた。
この箇所は、アダムとエバが禁断の木の実を食べて罪を犯した直後のことです。
主はアダムたちに音声で語っていました。
二人は罪を犯して霊的に死んでいましたが(創世記2:17)、
肉声なので聞くことができました。
主は、アブラハムにもコールによって語りました。
創世記22:18
地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声(コール)に聞き従ったからである。
●大きな音を意味するヘブル語「カラー」
音声を意味するヘブル語は他にもあります。
創世記3:9
神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」
この箇所は先ほど引用した箇所のつづきです。
アダムに「呼びかけた」と訳されているのは「カラー」という言葉で、
次のような意味があります。
to call, cry, utter a loud sound /呼ぶ、叫ぶ、大きな音を発する
カラーは次の箇所にも使われています。
創世記22:15
出エジプト記3:4
●音声を意味する「カール」
ネブカデネザル王は異教徒である上にとても高慢でしたが、
主が音声で語られたので、彼は主の声を聞くことができました。
ダニエル4:31
このことばがまだ王の口にあるうちに、天から声があった。「ネブカデネザル王。あなたに告げる。国はあなたから取り去られた。」
●キリストの中にいる=神によるわざ
1コリント1:27~30
しかし神は、知恵ある者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選ばれたのです。
また、この世の取るに足りない者や見下されている者を、神は選ばれました。すなわち、有るものをない者のようにするため、無に等しいものを選ばれたのです。
これは、神の御前でだれをも誇らせないためです。
上記にあるとおり、私たちが「キリストのうちにある」のは「神による」わざです。
私たちがキリストを信じることを選んだからではありません。
神が私たちを選んでくださったからです。
その理由は、「神の御前でだれをも誇らせないため」です。
この聖句を読んだ上で、
「いいえ、私は自分の意志でキリストを信じました」と言う人は、
神の御前で自分を誇っているのです。
●まとめ
生まれながらの人が、自分の意志でキリストを信じることはできません。
人が救われるは、神が選んでくださったからです。
だからこそ救いは恵みであり、神からの贈り物なのです。
エペソ2:8(岩波翻訳委員会訳)
事実、あなたがたは信仰を通して、この恵みにより救われている。そしてこれはあ
なたがた〔自身〕に由来するものではなく、神の〔無償の〕贈物である。
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