「7つの山」の誤り その2
その1では「7つの山」という教えの概説を掲載しましたが、この記事ではその概念の根本的な誤りを見ていきます。
1.神の国はメシアが実現する
まずイザヤ2:2の正常な解釈を見ておきましょう。
(参考文献:ニュー・リビング・トランスレーション・バイブル)
「終わりの日に、主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立ち、すべての国々がそこに流れてくる。」
「終わりの日」とは、旧約聖書においては「将来」を意味する表現ですが、新約聖書では、キリスト来臨以降の時代を指しています(へブル1:2)。具体的には、この時代の終わり間際を指しています(第二ペテロ3:3)。
「そびえ立ち」は、イザヤ6:1に書かれている幻のように、神の王座が高く上げられている状態を表現したものです。
●ウォルノーとビル・ジョンソン
「改革者の誓い」:8章が「7つの山の命令」
「バビロンを侵略せよ」:2章が「7つの山の命令」
このブログを以前から読んでいる方は、ビル・ジョンソンと近い関係にあることを見ただけでも、ランス・ウォルノーの教えが問題のあるものだとお分かりになると思います。
しかし彼の論理がいかに聖書からかけ離れているかを、具体的に見ていきましょう。
1.大宣教命令の歪曲
ウォルノーは、「あらゆる国々に行く代わりに、社会機構に行くべきだ」と言っていますが、これは恐るべき歪曲です。
ですからイエスは「あらゆる民族」を弟子にするように命じているのです。
神が変えたいのは文化や社会ではなく、人です。
それをウォルノーは別のものに置き換えているのですから、
私としては「あなたは何様のつもりなのか」と問いたい。
彼はクリスチャンが文化に影響を与えるべきだと教えていますが、
2.福音の歪曲
その1の記事には書きませんでしたが、ビデオの1:50からウォルノーは「御国の福音」と「救いの福音」が別のものだという説明をしています。
社会や文化への影響をもたらすことを「御国の福音」と呼び、
「救いの福音」は社会の変革を成し遂げることができなかった、と言っていますが、
これはまったくの作り話です。
聖書では「御国の福音」=「救いの福音」です。
と言っています。
この御言葉からわかることは、
①宣教の目標は「あらゆる国民」にあかしすることであって
文化や社会構造に影響を与えることではない
②福音がすべての国民にあかしされたらキリストの再臨が起こる
社会の変革をもたらすところの「御国の福音」なるものは、
聖書中には存在すらしないのです。
3.主権のすり替え
以下の御言葉が示すとおり、神の国の実現は、人手によらず神ご自身が成し遂げるものです。
すべてのを新しくするのは主ご自身であり、私たち信者ではありません。
「ハレルヤ。万物の支配者である、われらの神である主は王となられた。」黙示録19:6
「見よ。わたしは、すべてを新しくする。」(黙示録21:5)
つづく