ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

ユニアは女性使徒だったのだろうか? ローマ16:7の解釈

 
 ローマ167は、アメリカのカリスマ・ペンテコステ派において、女性の使徒を肯定するためにしばしば引用される箇所です。
 
 「ユニアス」は多くの聖書において男性の名前として訳されていますが、学者たちは女性の名前である可能性が高いと言っています。
 
 また新改訳聖書は「使徒たちの間によく知られている人々」という訳し方をしていますが、
 
 岩波文庫翻訳委員会訳は使徒たちのなかで秀でており」という訳し方をしており、ユニアスが使徒の一員であった可能性を示唆しています。
 

 
私の同国人で私といっしょに投獄されたことのある、アンドロニコとユニアスにもよろしく。この人々は使徒たちの間によく知られている人々で、また私より先にキリストにある者となったのです。
 
 
岩波翻訳委員会訳
 
私の〔ユダヤ人の〕同胞であり囚人仲間であるアンドロニコスとユニアとに〔よろしく、と〕挨拶するように。彼らは使徒たちのなかで秀でており私よりも先にキリストにある〔者〕となった人たちでもある
 
 
 前者の場合、アンドロニコスとユニア(ス)は使徒ではないが、使徒の間で有名だったということになります。
 
 後者の場合、ユニア(ス)は使徒の一員であったか、アンドロニコスという使徒の妻であったことになります。
 
 
ユニア=女性=妻
 
 新約聖書学者のダニエル・ウォーレス博士は、以下のリンクにある使徒たちの中のユニアというサイトでこのような結論を出しています。
 
イオニアスが女性名詞か男性名詞かに関するデータの量が不十分であるため、決定的な判断をくだすことはできないが、現存する最小限のデータが示しているのは、女性名詞だということである。
                                (引用終わり)
 
 トーマス・シュライナーはローマ書の注解書の中で、ユニアはアンドロニコスの妻だと述べています。
 
最新の注解書は、ユニアという女性として解釈することに好意的である。これはユニアナス(ユニアス)というギリシャ名が、ギリシャ語の文献のどこにも見当たらないためだ。それゆえ初期の伝統ではユニアを女性と見なしており、ユニアが女性だとするのが適切な結論である。多くの学者はアンドロニコスとユニアは夫婦だと判断しており、その可能性が高い。(P796)
 
 
ユニアは宣教師だった
 
 さらにシュライナーは、二人の働きについて次のように述べています。
 
1コリント15:5、7で、パウロ十二使徒と他の使徒たちを区別しており、両者を同じ存在として考えるのは誤りである。・・・アンドロニコスとユニアが、パウロバルナバ、またヤコブ(イエスの異父兄弟、ヤコブ書の著者)と同レベルの権威を持っていたということはあり得ない。・・・アンドロニコスとユニアの場合、巡回伝道者が宣教師だったと考えるのが妥当である。(P796)

ユニアやローマ16章で述べられている女性たちが、1テモテ2:11~15にあるパウロの戒めに反して権威を行使していたと結論づけるべきではない。女性たちが初期のキリスト教宣教師として活動していた証拠があり、ギリシャ・ローマ社会の家父長中心社会の中で、女性たちは他の女性に焦点を当てて(奉仕して)いたのかもしれない。(P797)
 
 
 ダグラス・ムーはローマ書の注解の中で、ペテロとその妻が巡回奉仕していたことを例に出して次のように述べています。 
 
アンドロニコスとユニアは、エルサレムにいたギリシャ語を話すユダヤ人の一員だった。ペテロとその妻(1コリント9:5参照)のように、二人は地中海の東側で宣教活動をしていたと推察できる。恐らくそこでパウロと出会い、ともに投獄されたのであろう。(P924)
 
 
●まとめ
 
 ユニアは十二使徒パウロのような使徒ではありませんでしたが、宣教師あるいは巡回伝道者として、夫ともに奉仕していた可能性が高いと学者たちは結論づけています。
 
 「地の果てまで福音を」ブログのキヌコ姉は、まさに現代のユニアと言えるのではないでしょうか。
 
 日本のクリスチャン女性のみなさんも、時代と場所は違っても、ユニアのような活動をしておられると思います。
 
 みなさんが、今後も主に用いられることをお祈りいたします。
 
 
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