ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

イエス・キリストの誕生月は9月?

 
 イエス・キリストの誕生日がクリスマスの時期ではないことは、誰もが知っています。
 
 欧米のサイトを見ると、イエスが生まれたのは9月だとする説がしばしば見られます。
 
 このテーマに関して最新の情報を提供していると思われる、Was Jesus actually born in September?から抄訳してみました。
 
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 イエスが9月生まれだと言われる最初の理由として、羊飼いが野宿をして羊の群れの夜番をしていたことが挙げられます(ルカ28)。
 
 ユダヤ地方の12月は寒くて雨が多いため、その時期に羊飼いが野宿をすることはなかっただろうと言われています。

 あるサイトによると、ユダヤ地方の12月の最低気温はマイナス1℃とされています。
 
 それゆえ、イエスが生まれたのは、晩夏から初秋(つまり9月頃)だったと推測されています。
 
 9月生まれと考えられる2番目の理由として、マリアとヨセフが受けたとされる国勢調査があります(ルカ214
 
 ローマ帝国国勢調査は、寒さや道路状況の不都合から、冬には行われなかったとする見解があります。
 
 その一方、ローマ皇帝への服従の問題であるため、状況の如何にかかわらず国勢調査は行われたはずだとする見解もあります。
 
 9月説を根拠づける最大の理由は、バプテスマのヨハネの誕生との関連です。聖書的な根拠が背景にあるからです。
 
 御使いガブリエルがヨハネの父である祭司ザカリヤに現れ、エリザベツの懐妊を告げたとき、ザカリヤには神殿の務めがありました(ルカ1813
 
 ザカリヤが祭司の務めを終えて自宅に戻ると、エリザベツは懐妊してヨハネを身籠ります(ルカ12324
 
 ガブリエルはその後、マリアのもとを訪れ、超自然的な懐妊によりイエスを身籠ることを告知します。
 
 この告知がされたとき、エリザベツは妊娠6か月でした(ルカ12636
 
 もう一つの重要事項として、ザカリヤが「アビヤの組」に属していたことが挙げられます(ルカ1:5)。
 
 これらの情報を基に、計算してみましょう。アビヤ組の祭司たちは、6月13日から19日の間に奉仕していたことが知られています。
 
 エリザベツの懐妊がガブリエルの告知の直後だとすると、エリザベツが妊娠6か月になり、ガブリエルがマリヤを訪れたのは、12月か1月だったことになります。
 
 マリアがガブリエルの告知の直後に懐妊したとすると、イエスが生まれたのは、9か月後の8月から9月だったことになります。
 
 しかし、ここで一つの問題があります。祭司の組分けはダビデ王によって創設され、ソロモン王朝で導入されました(第一歴代誌24:7~18)。
 
 ところが、この組分けとローテーションは、バビロン捕囚でリセットされてしまったのです(エズラ2章)
 
 ですから、ザカリヤの所属するアビヤ組が6月中旬に奉仕したかどうかが、定かではなくなってしまいました。
 
 ある情報によると、その年のアビヤ組の奉仕の最終日は、10月9日だったと言われています。
 
 10月にエリザベツがヨハネを懐妊したとすると、イエスの誕生は12月か1月ということになります。
 
 詰まる所、イエスの誕生月は不明だということです。12月だったかもしれませんし、9月だったかもしれませんし、別の月だったかもしれません。
 
 終わり