ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

「こうして」? それとも 「そこで」? ルカ1:38

 
 ルカの福音書138節を読んで思ったことを書こうと思います。
 
 
ルカ1:38NKJV
Then Mary said, “Behold the maidservant of the Lord! Let it be to me according to your word.” And the angel departed from her.
 
 
 今朝は、この箇所を新欽定訳で読みました。
 
 そのとき、一つのことを思わされました。
 
 最後のセンテンスが「And/すると」で繋がれていることから、天使はマリアの意思を確認した上で去って行ったことが伺えます。
 
 神さまが私たちの意思を尊重しておられることを、改めて思わされた次第です。
 
 このような示唆を含む文章において、接続詞の役割は重要です。
 
 そこで、ギリシャ語テキストではどう書かれているのかが気になりました。
 
 調べてみると、Andの部分にはカイという接続語が使われていました。
 
 
 
d. it annexes what follows from something said before , so as to be equivalent to and so:
それ(カイ)は、前述の事柄に付け加える働きをする。つまり「and so/それゆえ」にと同等の働きをする。
 
 
 ギリシャ語でも、カイには「そこで、それゆえ」といった意味がありました。
 
 やはり天使はマリアの応答を確認した上で、神のもとに帰っていたのです。
 
 そこで今度は、邦語訳聖書がどう訳しているかが気になりました。
 
 
新改訳 
マリヤは言った。「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」こうして御使いは彼女から去って行った。
 
新共同訳
マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。
 
口語訳
そこでマリヤが言った、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」。そして御使は彼女から離れて行った。
 
岩波翻訳委員会訳
そこでマリヤムは言った、「ご覧下さい、〔私は〕主のはしためです。
なたのお言葉通り、私に成りますように」。すると御使いは、彼女から離れて行った。
 

●おわりに
 
 感じ方は人それぞれかもしれませんが、私は新共同訳と岩波翻訳委員会訳がカイの役割をきちんと訳出できていると思いました。
 
 皆さんは、いかがでしたか。
 
 おわり