ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

ビル・ジョンソンの誤り


 ビル・ジョンソンは、著書「天が地に侵入するとき」の原書P30で、彼の持論である支配神学の焼き直しを展開しています。支配神学(Dominion Theology)というのは、過去において改革派や長老派が陥った神学的誤りで、社会のあらゆる分野、政治、経済、科学、芸術、スポーツなど、の頂点にクリスチャンが立つことによって、教会が社会を支配すべきだという考え方です。
 
 ビル・ジョンソンはルカ46のサタンの言葉、「この国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです」の下線部を引用して、社会の支配権をサタンがアダムから奪ったので、クリスチャンはそれを取り戻して、社会に権威を行使しなければならないと教えています。
 
 しかし詩篇667には「神はその権力をもってとこしえに統べ治め、その目は国々を監視される」とあり、国々の支配権はアダムの堕落以降でも神が持っていると聖書は教えています。世界の支配権がサタンに任されているというのは、偽りの父と呼ばれているサタンの偽りであるにもかかわらず、ビル・ジョンソンはこのサタンの言葉を正しいこととして読者に教えています。これでは神の真理とサタンの偽りの逆転ではありませんか!彼は上手いことサタンに利用されているのです。 
 
 クリスチャンが個人として社会の要所で活躍すること自体は神の栄光になり、素晴らしいことです。実際、そういう召しを受けたクリスチャンは個人としては存在します。しかし聖書は、共同体としての教会に対して、社会を支配せよとの命令はしていません。ところがビル・ジョンソンは、そうすることは神の命令(mandate)だと教えているのです。
 
 この教えの問題点は、現代の教会に対する神のみこころを歪めてしまうことにあります。黙示録2016を見ればわかるとおり、神の支配計画は、千年王国において栄化した信者に世界を千年間支配させることです。そしてそれ以降は、新天新地を築いて、永遠の神の王国を完成させることです(黙示録21章)。
 
 しかしビル・ジョンソンらは現代においてそれを実現しようとしているため、彼の教えに惑わされているクリスチャンたちは一生懸命になって、現代の社会を自分たちが支配しようとします。実際、彼らの教会(ベテル教会)は、カリフォルニア州レディング市の市政においてこの教えを実践するため、多くの人的・経済的資源を費やしています。日本の教会で同じようなことをするなら、本来、純粋な宣教活動に用いられるはずの人的経済的資源が、社会的な活動のために使われてしまうことになるでしょう。

 偽りの教えに惑わされないよう注意しましょう。