ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

ビル・ジョンソンの誤り その2


 「天が地に侵入するとき」の原書P33の第二段落で、ビル・ジョンソンは以下のように述べていますが、これは取りも直さず、自らの持論が支配神学であることを露呈しています。
 
One of the tragedies of a weakened identity is how it affects our approach to Scripture. Many, if not most theologians, make the mistake of taking all the good stuff contained in the prophets and sweeping it under that mysterious rug called, the Millennium. It is not my desire to debate that subject right now. But I do want to deal with our propensity to put off those things that require courage, faith, and action to another period of time. The mistaken idea is this: if it is good, it can't be for now.
 
日本語訳
(クリスチャンたちの)貧弱な自己像は、聖書理解にも影を落としています。神学者の多くは、預言書に記されている良いことを見逃しているばかりか、「千年王国」と呼ばれる不可思議な布切れで覆い隠すという過ちを犯しています。「千年王国」というテーマについて、今この場で論争することは私の願うところではありません。しかし勇気や信仰や行動が求められることは先延ばしにしてしまおうとする過ちを、放っておくわけにはいきません。その過ちとは「それは確かに素晴らしいものではあるが、今この時ではなく将来に備えられているものなのだ」というものです。
 
●解説
 彼はまず、こんにちの教会(クリスチャン)の信仰が貧弱だと言い、それを神学者の責任にしています。また、「千年王国」についての説明を避け、「千年王国」は理解困難で、預言書に書かれている「良いこと」を覆い隠す悪い概念であるかのように思わせています。
 
 逆に自分は、そのような過ちに勇気をもって立ち向かう正義の味方であるかのように書いています。しかし彼が実質的に立ち向かっているのは、神学者たちの説明に表されている神の主権による将来設計です。それを、このあと説明します。
 
 千年王国とは、終末の患難期が終わり、キリストが再臨した後、以下の箇所にように、キリストと復活したクリスチャンたちが王となり、この世界を千年間統治することです。
 
黙示録20:4~6
また私は、多くの座を見た。彼らはその上にすわった。そしてさばきを行なう権威が彼らに与えられた。また私は、イエスのあかしと神のことばとのゆえに首をはねられた人たちのたましいと、獣やその像を拝まず、その額や手に獣の刻印を押されなかった人たちを見た。彼らは生き返って、キリストとともに千年の間王となった
そのほかの死者は千年の終わるまでは、生き返らなかった。これが第一の復活である。
この第一の復活にあずかる者は幸いな者、聖なる者である。この人々に対しては、第二の死は、なんの力も持っていない。彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストとともに千年の間王となる。
 
 千年王国の目的は、1)ダビデの子孫であるキリストを王とした永遠の王国を確立することと(ルカ13233参照)、2)イスラエル民族に与えられた約束の中で、まだ成就していないものを成就すること(申命記30110、イザヤ22411313など)であると言われています。
 
●まとめ
 ビル・ジョンソンは、持論を正当化するために聖書に書かれていることを捻じ曲げ、否定しています。神は、教会による世界の統治を再臨後の計画として定めていますが、ビル・ジョンソンはその神の主権を軽視し、人の力で現代にそれを成就させようとしているのです。
 
 支配神学は、1970年代にアメリカの長老派が、旧約聖書の律法をアメリカ社会に適用して神政を確立しようと試みたことに端を発していますが、ビル・ジョンソンの場合は、リバイバルやしるしと不思議、神の臨在の顕現、使徒預言者による地域教会の統治などと結びつける形で支配神学の焼き直しをしています。
 
 持論を展開する課程で、力強いクリスチャン像をイメージさせたり、あたかも神の権威を自分たちが操作できるかのような妄想を与えるため、人受けする側面がありますが、神の真理を捻じ曲げ、神の主権をないがしろにし、教義的な混乱をもたらしていることに変わりはありません。
 
 このような偽りに騙されないようにしましょう。