妄信と信仰の違い その4 ~正しい癒やしの信仰~
前回は、聖書には、病人が全員癒やされるという約束はないことを説明しました。
この記事では、癒やしに関する正しい理解を説明します。
●癒やしに関する正しい理解
こんにちの場合、誰かの病気を癒やすか癒やさないかは、
その人に対する神の主権的御心の問題です。
個人に対する神の主権は、以下のような聖句で説明されます。
信仰は、神を操るための道具ではありません。
私たちのほうが、神の主権に対してひれ伏すべきなのです。
神は個人個人に対して、主権によるご計画を持っています。
病気になったり、怪我をしたときに、超自然的な方法で癒やすかどうかは、
この世界の主権者である神の御心次第なのです。
パウロでさえ、肉体のとげを癒やしてもらえませんでした。
これは神が主権者として、別の計画を持っていたことの現れです。
神の主権性は、私たちへの神の愛とは別の問題です。
祈る人が不信仰だから治らないのでもありません。
パウロは神から愛されていましたし、信仰の人でした。
しかし癒やさないことの中に、神は別の主権的な目的を持っていたのです。
パウロは繰り返し祈り、癒やし求めました。
繰り返し祈ったことは、パウロに信仰があったことを示しています。
しかし神はパウロの祈りに対して、まったく予想外の答えを出しました。
それは神が、この世界の主権者であることの証です。
●神の主権とビル・ジョンソン
神の主権に逆らえないことは、ビル・ジョンソンも例外ではありません。
ベテル教会のナンバーツーであるクリス・ヴァロトンは、
著書「スピリット・ウォーズ」の中で以下のように書いています。
She called to tell me Bill was very sick, and the doctors ordered him to cancel all his travel so that he could rest for a couple of months.
“Bill asked that you take as many of his conferences as you can while he is ill,” Judy requested. (原書P80)
訳文
彼女(ビル・ジョンソンの秘書ジュディ)が私に電話をしてきて、ビルの病気がとてもひどく、2ヶ月間は休みが必要なため、奉仕旅行をすべてキャンセルするように医師から命じられた、と言ってきました。
ジュディが「ビルは、病気の間はあなた(クリス)にできるだけ多くのカンファランスを代行してほしいと頼んでいるわ」と依頼してきたのです。
クリスがこの本を書いたのは2011年です。
それよりも少し前に、ビル・ジョンソンは病気になったわけですが、
超自然的な方法では癒やされませんでした。
彼は天を地に侵入させることに失敗したのです。
これは、彼の持論が間違っていることの証です。
しるしと不思議を標榜する器でも、神の主権にはひれ伏さざるを得ません。
神は、人間が考え出した教えに操られるお方ではないことを示したのです。
ちなみに「スピリット・ウォーズ」によれば、クリス・ヴァロトンも何度も病になり、
なかなか治らずに苦しい思いをしています。
●まとめ
幼子のように信じるとは、まさに「全体重をかけて」信頼すること(アマーン)です。
しかし残念なことに、往々にして幼子のように信じることだけが強調され、
その場で語っていたのがイエスであったという事実、が抜け落ちています。
つまり、確かなお方の確かな言葉が信じる対象になっている、という前提です。
この前提で幼子のように信じるとき、人は神の国に入るのです。
パウロはこのことを、次のように言い換えました。
もしあなたがたがよく考えもしないで信じたのでないなら、私の宣べ伝えたこの福音のことばをしっかりと保っていれば、この福音のことばによって救われるのです。(第一コリント15:2)
聖書が本当にそう教えているかどうがわかるまで、
あるいは確かに神が語っているかどうかがわかるまで、吟味や確認をつづけましょう。
そして確信が与えられたら、「全体重をかける」ようにして信頼するのです。
そうするためにコツコツと御言葉を学び、霊的財宝(真理の知識)を貯えましょう。