ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

クリス・ヴァロトンが会話しているイエスは本物か? その1

 
 「クリス・ヴァロトンの夢」という記事では、ヴァロトンの夢に登場したイエスが本物かどうかについて考えました。
 
 2章でも、ヴァロトンの祈りに対してイエスが答える、という形で会話がなされます。この記事では、そのイエスが本物かどうかを考えたいと思います。
 
 
●前回の疑問点と2章の文脈
 
 「王家の者として生きる」の1章でヴァロトンの夢に登場したイエスは、箴言3022の「奴隷」の部分を「貧民」と読み換えていました。2章まで読んでいくと、その理由がわかってきます。
 
 それは、自分の貧乏根性と結びつけて本書の内容を展開する必要があったからかもしれません。「奴隷」という言葉だとうまく結びつかないエピソードや聖句なども使われているからです。このことも夢に登場したイエスが本物であることを疑わせる理由のひとつになります。
 
 さて2章でヴァロトンは、子供の頃の貧しかった生い立ちを証し、物質的貧困が精神的貧困を生み出し、精神的貧困は救われた後も信仰的貧困につながる、という話をし始めます。
 
 彼は18歳のときに救われますが、その後も貧乏根性が抜けなかったため、周囲の人を言葉によって傷つけます。この話の流れの中で、奉仕者になってからの自分について語り始めます。
 
 彼はあるとき高額の個人指定献金をもらいますが、なぜか献金者の男性を避けるようになります。教会のトイレで献金者の男性を見かけると、顔を合わせる前に逃げ出します。
  
 ヴァロトンは自分の行動が余りにもおかしいことに気づき、イエスにその理由を尋ねると、イエスが以下のように説明してくれます。
 
"The problem with you is that you don't love yourself enough to feel worthy of thirty thousand dollars. You're afraid that if that  generous guy gets to know you, he'll be sorry he gave you the money. That is why you don't want him to get close to you."
"Learn to love yourself as much as I love you. When you do, you will expect people to love you more as they get to know you better!"(原書P26より抜粋)
 
「あなたの問題点は、自分を十分に愛していないことです。あなたは、自分には30万ドルもの献金をもらう価値はないと感じてます。献金してくれた人があなたの人柄を知ることになったら、献金するほど価値のある人間ではないことがわかり、彼が残念に思うことをあなたは恐れているのです。あなたが彼を避けたくなるのはそのためです。」

「わたしがあなたを愛するのと同じくらい(深く)自分自身を愛しなさい。あなたがそうするなら、人々はあなたのことを知るにつれて、あなたをより深く愛してくれるようになるでしょう!」
 
 
●聖書のイエス
 
1.愛することに関するイエスの教え
 
 ヴァロトンのイエスの言葉に感じる最初の問題は、聖書が教える隣人愛と明らかに違うことを述べている点です。
 
 聖書のイエスは、自分を愛すれば愛するほど、他人が自分を愛してくれる、とは教えていません。むしろ逆で、相手から愛されなくても愛しなさい、と教えています。
 

自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。(マタイ544
 
 
 これだけもヴァロトンが会話している相手は、本当のイエスではないことがわかります。とても初歩的な違いだと思いますが、ヴァロトンは何とも思わなかったのでしょうか?
 

つづく