賛美は敵を滅ぼす! 詩篇8篇
ダビデは、被造物とおして神の偉大さをイメージしています。
私たちの主、主よ。あなたの御名は全地にわたり、なんと力強いことでしょう。あなたはご威光を天に置かれました。
あなたは幼子と乳飲み子たちの口によって、力を打ち建てられました。それは、あなたに敵対する者のため、敵と復讐する者とをしずめるためでした。
はじめてプラネタリウムを見たときの感動を覚えていますか?
宇宙の壮大さ、不思議さを感じたと思います。
3節に行くと、ダビデは天体に言及していることから、
この詩篇を書いたとき、夜空をみつめていたのかもしれません。
地球が存在している銀河系には、2千億個の星々が集まっているそうです。
パウロは、未信者であっても被造物を通して、
神の存在と神の性質がわかると言っています。
ローマ1:20
神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。
「御名は・・・力強い」とあります。
「御名」は、一般的に神の人格や性質を象徴するものです。
しかし詩篇ではしばしば、並行法が使われますから、
「御名」と「ご威光」を同意語と理解して、名声という意味に取ることも可能です。
全地と諸々の天(ヘブ:天は複数形)の上にあり、それらを支配している、
とほめたたえていることになります。
ちなみに1節と9節の前半は、以下の賛美の歌詞になっています。
O LORD, our Lord, how majestic is your name in all the earth!(NIV)
私たちの主よ、あなたの名は全地においてなんと厳かなのでしょう!
●2節
新共同訳
幼子、乳飲み子の口によって。あなたは刃向かう者に向かって砦を築き、報復する敵を絶ち滅ぼされます。
2節ですが、新共同訳と比較すると、訳語がずいぶん違っています。
新改訳:力を打ち建てた/(敵を)しずめる
新共同訳:砦を築いた/(敵を)滅ぼす
私たちは、どう理解すればいいでしょうか?
イエスさまがこの箇所を引用していますので、参照しましょう。
マタイ21:16
そしてイエスに言った。「あなたは、子どもたちが何と言っているか、お聞きですか。」イエスは言われた。「聞いています。『あなたは幼子と乳飲み子たちの口に賛美を用意された。』とあるのを、あなたがたは読まなかったのですか。」
この引用は、ヘブル語聖書ではなく七十人訳からです。
ἐκ στόματος νηπίων καὶ θηλαζόντων κατηρτίσω αἶνον
~から 口 幼子 と 乳飲み子 用意した 賛美
ついでに2節の後半が、七十人訳でどう訳されているかを見てみたところ、
「敵と報復者を滅ぼすために」となっていました。
τοῦ καταλῦσαι ἐχθρὸν καὶ ἐκδικητήν.
ために 滅ぼす 敵 と 報復者
●考察
新改訳は、ヘブル語聖書に書かれているとおり、2節を正確に訳しています。
七十人訳を神の言葉として認めているということです。
なので私たちは、ヘブル語聖書と七十人訳の両方を受け取る必要があります。
両者を総合して考えると、次のことが言えると思います。
①「賛美」=「力/強さ」である
②「賛美」は敵を「しずめる/絶ち滅ぼす」
●まとめ
信仰的に落ち込んでいるとき、目の前にある問題が大きすぎるときは、
主を賛美しましょう。
賛美は私たちの力であり、敵を絶ち滅ぼすからです!
そして宇宙の創り主が私たちのことを心に留め、
顧みてくださっている事実に励ましを受けましょう。
神は、私たちの問題よりも大きいからです!
あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、
人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。
↓最後までお付き合いくださりがとうございました↓