ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

ヨハネの言う「偶像」とは何か? 1ヨハネ5:21


 
 この箇所は、一見唐突に思える内容です。
 
 なぜ突然「偶像」の話をし始めるのか? という印象が読者にはあるはずです。
 
 これについて考えてみました。

 
1ヨハネ5:18~21 
神によって生まれた者はだれも罪の中に生きないことを、私たちは知っています。神から生まれた方が彼を守っていてくださるので、悪い者は彼に触れることができないのです。
私たちは神からの者であり、全世界は悪い者支配下にあることを知っています。
しかし、神の御子が来て、真実な方を知る理解力を私たちに与えてくださったことを知っています。それで私たちは、真実な方のうちに、すなわち御子イエス・キリストのうちにいるのです。この方こそ、まことの神、永遠のいのちです。
子どもたちよ。偶像を警戒しなさい
 
 
 21節で「偶像」と訳されているのはエドロンという言葉で、

「偽の神」という意味もあります。
 
 新約聖書11回使われていますが、

 ヨハネが使っているのはこの箇所と黙示録920の2箇所だけです。
 
 この手紙の中では、この箇所でしか使われていません。
 
 それゆえ私たちにとって唐突に感じられます。
 
 
ヒント1「定冠詞」
 
 しかし一つのヒントになるのは、エドロンの前に定冠詞トンがついていることです。
 

 φυλάξατε   ἑαυτὰ     ἀπὸ   τῶν  εἰδώλων.
  守りなさい   あなた方自身を  ~から  定冠詞   偶像
 
 
 ギリシャ語の定冠詞は、英語ほど強い意味は通常は持っていません。
 
 しかしまったく意味がないわけではなく、

 これまでに述べてきた既成の概念を暗示しています。
 
 
ヒント2「真実な」との対比
 
 もう一つのヒントは、20節の「真実な、まことの」と訳されているオレスィノスです。
 
「偶像、偽の神」は、オレスィノスとの対比になっていることは間違いありません。
 
 
ヒント3「悪い者」との並列
 
 さらにヒントとなるのは、18節や19節の「悪い者」、すなわちサタンです。
 
 この「悪い者」と「偶像」は、逆に同類のものであることがわかります。
 
 サタンは、人を神ならぬ神(偽の神)に引き込みます。
 
  
まとめ
 
 これらのヒントから考えられるのは、

 ヨハネが言う「偶像」というのは、
 
 反キリストによる偽りの教えを信じることによって行きつくところの、

「偽の神々」だということです。

 実際、 Expanded Bible (英語版詳訳聖書)は、「偽りの神々」と訳しています。

 
So, dear children, keep yourselves away [guard yourselves] from false gods
 [idols;either literal idols or false ideas about God].


 ここでヨハネが述べているのは、一般論としての偶像ではなく、
 
 この手紙の中で述べてきた偽りの教えに関連する偽りの神のことです。
 
 手紙の最後の部分で、それを再度ダメ出ししている、

 と考えるのが筋ではないでしょうか。
 
 
 具体例を挙げるなら、
 
 元・統一原理の場合、文鮮明が偽りのキリストであり、偽の神です。
 
 エホバの証人であれば、彼らの言うところの「エホバ」は、
 
 私たちが信じるところの「ヤーウェ」ではありません。ニセモノです。

 
 ヨハネは、こういった偽りの神々を「警戒しなさい」と教えているのです。
 
 参照箇所:1ヨハネ21825、1ヨハネ413
 
 
ヨハネ4:1 
愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです。
 
 
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