「雲を引き連れて来られる方」 黙示録1:6~8
黙示録1:6
また、私たちを王国とし、ご自分の父である神のために祭司としてくださった方である。キリストに栄光と力とが、とこしえにあるように。アーメン。
6節を説明するために、5:10を見たいと思います。
私たちの神のために、この人々を王国とし、祭司とされました。彼らは地上を治めるのです。黙示録5:10
ヨハネによると、
地上を統治することになります。
しかし日本語の訳文では、読み取れない意味合いがあります。
バスィレウオーの意味は、「王として統治する」です。
原文では「王国」と「祭司」が並列で書かれているため、
王国と祭司が王として統治する、というのが直訳です。
しかし王国が王として統治するというのは変なので、
注解者たちは、「王国」は、実質的には「王」を意味していると考えています。
新共同訳はそのように訳しています。
彼らをわたしたちの神に仕える王、また、祭司となさったからです。彼らは地上を統治します。新共同訳・黙示録5:10
私たちの未来は王様です! 楽しみですね。
●7節
見よ、彼が、雲に乗って来られる。すべての目、ことに彼を突き刺した者たちが、彼を見る(未来形)。地上の諸族はみな、彼のゆえに嘆く。しかり。アーメン。
新改訳は「乗って」と訳していますが、
メタは、後ろに属格が来る場合、
「~を伴って、~を引き連れて」という意味になるので、
正しくは「彼が、(複数の)雲を伴ってやって来られる」となります。
日本語聖書では、前田訳がそれに近い訳し方をしています。
「見よ、彼は雲とともに来たもう。」
英語の聖書は軒並み正確に訳しています。以下はNIVです。
Look, he is coming with the clouds, and every eye will see him,
また注解者によると、
この箇所はダニエル書とゼカリヤ書を合わせた表現になっているとのことです。
ダニエル7:13
私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲に乗って来られ、年を経た方のもとに進み、その前に導かれた。
ゼカリヤ12:10
わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者のために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く。
ちなみに、「レフトビハインド」の著者ティム・ラヘイは、
上記のゼカリヤの箇所は、ユダヤ人が民族として悔い改め、
イエス・キリストをメシアとして認める瞬間を描写したものだと述べています。
●8節
神である主、常にいまし、昔いまし、後に来られる方、万物の支配者がこう言われる。
「わたしはアルファであり、オメガである。」
「神である主」の部分は、
原文では「キュリオス ホ セオス」という順番で書かれています。
それゆえ注解者たちは、「主なる神」(父なる神)と理解すべきだとしています。
その場合、「 」内は、父なる神が語っている言葉ということになります。
ちなみに、口語訳は「主なる神」と訳しています。
今いまし、昔いまし、やがてきたるべき者、全能者にして主なる神が仰せになる、
「わたしはアルパであり、オメガである」。口語訳・黙示録1:8
また、8節が父なる神だとすると、
4節の「常にいまし、昔いまし、後に来られる方」も父なる神ということになり、
三位一体が揃った挨拶であったことが再確認されます。
●感想
救われるだけでもありがたいことですが、
王様として地上を支配させてもらえるというのは、凄いことだと思います。
↓読者の皆さんの上に祝福がありますように↓