ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

多目的贖罪論のまとめ


 
 これまで多目的贖罪論について、いくつかの記事を書いてきました。
 
 もともと一冊の本になっているものですから、
 
 私が書いたのは一部に過ぎませんし、順序も著書とは違います。
 
 記事には書かなかった贖罪の目的は他にもありますし、
 
 根拠となっている聖書箇所の解釈に至っては、かなり割愛しました。
 
 しかし、この辺で一区切りつけておこうと思います。
 
 
選ばれた人々の救いの保証
 
 まず初めに、選ばれた人々の救いの保証について述べました。
 
 カルビン主義の場合、一部の人しか救われない主な根拠を限定贖罪に置いています。
 
 しかし皮肉なことに、限定贖罪の根拠となる聖書箇所は極めて限定されています。
 

 一方、アルミニウス主義の場合、一部の人しか救われない理由は、
 
 人間の意志による選択の結果だとしています。
 
 しかし聖書によれば、

 救われる人が限られている理由は、

 真の救いは、神の選びに基づいてのみ起こるからです。
 
 聖書は、神が選んだ人の救いを保証しています。、
 
 神の意志は、ご自分が選んだ人々を必ず救うことであり、

 エスの贖罪の目的の一つは、選ばれた人々の救いを確かなものにすることでした。

 選ばれた人の救いは、聖霊による聖別や有効召命をとおして確実に実現に至ります。
 
 聖霊の証印は、選ばれた人々が天国に入ることを保証するものです。
 
 
諸々の目的
 
 キリストの贖罪に込められた目的は多々ありますが、

 その一つは、万人への真実な福音提示にありました。
 
 神は独り子を犠牲にし、すべての人の罪を処理しました。
 
 この普遍的な贖罪のゆえに、万人に対する福音の提示が真実なものになります。
 

 カルビン主義は限定贖罪を唱えるため、罪が処理されていない人々に対して、
 
「キリストはあなたの罪を負いました」と、言うこと自体ができません。
 
 福音を聞かされているその人が、
 
 選ばれた人々の一人かどうかは、人にはわからないからです。

 
 また、普遍的な贖罪に込められたその他の目的として、
 
 付加的断罪、一般恩恵(自然の賜物、神の裁きの延期、人間の罪の抑制)、
 
 キリストの宇宙的勝利、万物の和解などを挙げました。
 
 
感想
 
 私としては、一般恩恵の土台となったノアによる全焼のいけにえは、
 
 キリストの十字架の象徴に違いないということをずっと思いつづけてきましたので、
 
 その点が解明されたのは有難いことでした。
 
 また救いが起こる根拠は贖罪そのものあるのではなく、
 
 神の選びに依存していることの理解を深めることができたのも収穫でした。

 
 贖罪の範囲について述べている聖書箇所の解釈については、
 
 聖書ギリシャ語のコーナーなどで、追々触れていきたいと思っています。