ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

「人の子が御国とともに来る」とは? マタイ16:28

 
 この箇所は、国境を超えて物議を醸している箇所ですので、意味を考えたいと思います。

 
マタイ16:28
まことに、あなたがたに告げます。ここに立っている人々の中では、人の子が御国とともに来るのを見るまでは、決して死を味わわない人々がいます。
 
 
ヒント1 「御国の中で」
 
 ἐν τῇ βασιλείᾳ  αὐτοῦ
の中で    王国      彼の
 
 
 まず「御国とともに」と訳されている部分ですが、原文では「ともに」の部分には「ἐν/エン」という前置詞が使われています。
 
 エンは「~の中で」という意味ですので、そのニュアンスを出して訳したほうがいいと思います。

 英語の聖書は、軒並み「in his kingdom」と訳していますが、日本語聖書では岩波翻訳委員会訳が次のように訳しています。
 
 
岩波翻訳委員会訳
アーメン、私はあなたたちに言う、ここに立っている者たちの中では、人の子がその王国のうちにやって来るのを見るまでは、決して死を味わうことのない者が幾人かいる
 
 
ヒント2 「姿を現す」
 
 次に「来る」と訳されているエホマイという言葉ですが、この言葉には「現れる、姿を現す」というニュアンスがあります。
 
 セイヤーギリシャ語辞典は、その事例としてルカ316ヨハネ425、同72731、へブル1037を挙げています。
 
 なので、「人の子が御国とともに来る」の部分には、「人の子が御国の中で姿を現す」というニュアンスがあるわけです。
 
 
ヒント3 文脈
 
マタイ17:1~2 
それから六日たって、イエスは、ペテロとヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に導いて行かれた。
そして彼らの目の前で、御姿が変わり、御顔は太陽のように輝き、御衣は光のように白くなった。
 
 
 上記の箇所は、1628の発言から六日後に起きたイエスの変貌の話を伝えています。
 
 この部分は、現代の聖書では17章に区分されていますが、執筆者のマタイとしては、16章の最後の部分からのつづきとして書いています。
 
 162728で、イエスさまは将来(終末)の話をしていました。そして変貌は、将来における栄光の姿を垣間見せたものです。終末になり、神の国が実現した際の姿です。
 

●まとめ

 16:28は、AD70年に起きたエルサレム陥落のことを指しているという解釈もありますが、イエスさまは、今の時代に姿を現すとは言っておらず、御国の中で姿を現すと言っています。
 
 なので、将来における御国の実現と関連づけて話をしていると受け取るべきだと思います。

 そういう意味でマタイ1628は、変貌山の出来事を意味していると考えるのが妥当だと思います。