死者の復活問答 マタイ22:31~32
イエスさまは、死者の復活はないとするサドカイ人の見解は間違いだと言っています。
しかしこの言葉が、どうして死者の復活を肯定することになるのでしょうか?
この記事では、その点を考えたいと思います。
マタイ22:31~32
それに、死人の復活については、神があなたがたに語られた事を、あなたがたは読んだことがないのですか。『わたしは、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。』とあります。神は死んだ者の神ではありません。生きている者の神です。」
᾿Εγώ εἰμι ὁ θεὸς τοῦ πατρός σου, θεὸς Αβρααμ καὶ θεὸς Ισαακ καὶ θεὸς Ιακωβ.
ギリシャ語聖書・マタイ22:32
Ἐγώ εἰμι ὁ θεὸς Ἀβραὰμ καὶ ὁ θεὸς Ἰσαὰκ καὶ ὁ θεὸς Ἰακώβ;
一見してわかるのは、イエスさまの引用のほうが短いことです。
何が省略されているかというと、「あなたの父の神」に相当するブルーの部分です。
では、この表現から何がわかるのでしょうか?
もしこの3人の存在が消滅していたのなら、そのように言うことはできません。ひとり一人が、今も神の前に存在しているからこそ言えたのです。
ではその時点で、この3人は復活していたのでしょうか?
そうではありません。霊魂の状態で神の前にいたのです。
ルカ16:23
その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、アブラハムが、はるかかなたに見えた。しかも、そのふところにラザロが見えた。
ではイエスさまは、どうして3人が復活しているかのように話したのでしょうか?
注解者らの説明によると、サドカイ人たちは「霊」の存在を否定していました。
使徒23:8
サドカイ人は、復活はなく、御使いも霊もないと言い、パリサイ人は、どちらもあると言っていたからである。
そこでイエスさまは、死ぬことによって3人の存在(霊)が消滅したのではなく、霊的に神の前に存在していることを示し、ゆえに時が来たなら復活するのだと暗示したのです。