ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

無千年王国説と千年一日説

 
 この記事では、千年王国説の聖書解釈を参照した上で、

 千年一日説の立場から所見を述べます。

 
千年王国
 
 無千年王国説(アミレ)の聖書解釈については、
 
 
 アミレの執筆を担当しているのは、

 アンソニーA・ホエケマ(HOEKEMA)という神学者です。 
 
(アミレの概要については、過去記事「千年王国諸説」を参照してください)
 
 ホエケマ氏は、黙示録は7つのセクションで構成されていると解釈しています。
 
 1~3章、4~7章、8~11章、12~14章、15~16章、17~19章、20~22章です。
 
 そしてこれら7つのセクションは、それぞれが並行して書かれていると考えています。
 
 それゆえ黙示録20:1は、「新約時代の初めに立ち返っている」と理解されます。
 
 そして、この解釈が適切であることは、
 
 黙20章にサタンの敗北が描かれていることから明白だとしています。
 
 ホエケマ氏の理解では、キリストの初臨によってサタンは敗北しているからです。
 
 それゆえ黙20:4~6で描かれているキリストの統治は、
 
 再臨前の期間(現代も含まれる)を指していることが明白だとしています。
 
 黙20:4~6の千年間の統治が、再臨後ではなく再臨前に起こるものであることは、
 
 以下に挙げる聖書箇所からも確かだとしています。
 
 
マタイ16:27
人の子は父の栄光を帯びて、御使いたちとともに、やがて来ようとしているのです。その時には、おのおのその行ないに応じて報いをします。
 
マタイ25:31~33 
人の子が、その栄光を帯びて、すべての御使いたちを伴って来るとき、人の子はその栄光の位に着きます。そして、すべての国々の民が、その御前に集められます。彼は、羊飼いが羊と山羊とを分けるように、彼らをより分け、羊を自分の右に、山羊を左に置きます。
 
2テサロニケ1:7~10 
苦しめられているあなたがたには、私たちとともに、報いとして安息を与えてくださることは、神にとって正しいことなのです。そのことは、主イエスが、炎の中に、力ある御使いたちを従えて天から現われるときに起こります。
そのとき主は、神を知らない人々や、私たちの主イエスの福音に従わない人々に報復されます。そのような人々は、主の御顔の前とその御力の栄光から退けられて、永遠の滅びの刑罰を受けるのです。その日に、主イエスは来られて、ご自分の聖徒たちによって栄光を受け、信じたすべての者の――そうです。あなたがたに対する私たちの証言は、信じられたのです。――感嘆の的となられます。
 
 
 つまりホエケマ氏の理解は、こういうことです。
 
 マタイや2テサによれば、再臨と同じ日に不信者の裁きが行われる。
 
 だから、再臨と不信者の裁きの間に1000年間のギャップがある黙20:4~6は、
 
 再臨後のことではなく、別の時代(再臨前の時代=現代)のことを言っているはずだ。
 
 
千年一日説の立場から見る
 
 マタイや2テサの箇所を字義通りに解釈している点で、私はアミレに共感しています。
 
 例えば2テサの箇所を字義通りに理解するなら、「その日」という特定の日に、
 
 再臨と不信者への報復の両方が起こることは確かです。
 
 ところが黙示録20章を見ると、
 
 再臨と不信者の裁きの間には1000年の開きがあると書かれているわけですから、
 
 アミレの信奉者が、黙20章の字義的解釈を避けたくなるのは理解できます。
 
 しかしこの場面に千年一日説を持って来ると、問題が一気に解決します。
 
 千年一日説では、2テサで述べられている「主の日」は、

 1日であると同時に1000年間でもあるわけですから、黙示録と矛盾しなくなります。
 
 
現状とのギャップ
 
 私は、こんにちの霊的現状とアミレの黙示録解釈を比較したときに、
 
 どうにも受け入れがたいギャップを感じます。
 
 アミレによれば、21世紀の現代は千年王国の一部です。
 
 黙20:3にあるとおり、サタンは「底知れぬ所」に投げ込まれている状態にあります。
 
 ホエケマ氏の解釈によると、この意味は、①サタンは福音宣教を妨害できない、
 
 ②サタンはキリストの敵を集めて教会を攻撃することはできない、の2点です(注)。
 
 注:The Meaning of the Millennium: Four Views, P162

 
 しかし今日の霊的現実を見るかぎり、②の解釈はまったく当てはまりません。
 
 例えばクリスチャン・トゥデイ2017年1月20日の記事には、こうあります。
 
 
16年は、2億1500万人という信じ難い人数が高度の迫害を受けた最悪の年でした。
 
世界各地で1329軒の教会が襲撃されたり、破壊されたりした…
                              (引用終わり)
 
 アミレを信奉する方々は、この現実をどのように理解しているのでしょうか?
 
 サタンが封じられているなら決して起こり得ないことが、世界中で起きています。
 
 この現実と照らし合わせるなら、
 
 アミレの黙示録解釈は、余りにも机上の空論過ぎるのではないでしょうか?