パウロは計算ミスをしたのだろうか? ガラテヤ3:17
今回は、パウロの計算が間違っていると批判を受ける「聖書の現象}です。
●問題点
ガラテヤ3:17
私の言おうとすることはこうです。先に神によって結ばれた契約は、その後四百三十年たってできた律法によって取り消されたり、その約束が無効とされたりすることがないということです。
しかし、創世記12:1~3でアブラハムが神の約束を受け取ったのは紀元前2090年頃で、
モーセが律法を授かったのは紀元前1450年頃なので、600年余り後とすべきだというのです。
出エジプト記12:40
本当にパウロは間違ったのでしょうか?
●解決案
これは1877年頃のことだ。
出エジプトは1447年頃のことなので(1列王記6:1参照)、ちょうど430年後になる。
ヤコブへの確認とする根拠は、ガラテヤ3:17に「あらかじめ神によって確認された契約」とあるからだ(訳注)。
●訳注
欽定訳や新欽定訳のガラテヤ3:17は、次のように訳されています。
新欽定訳・ガラテヤ3:17
And this I say, that the law, which was four hundred and thirty years later, cannot annul the covenant that was confirmed before by God in Christ, that it should make the promise of no effect.
ブルーの部分は「あらかじめ神によって確認された契約」と訳されていることから、
「あらかじめ確立する、あらかじめ承認する」という意味の言葉です。
(別に日本語の聖書が誤訳しているというのではなく、訳語の選択の問題です)
なお、創世記46:2~4が「1877年頃」だという情報を確認されたい方は、以下のリンクを開いて「創世記の年代表」(英語)をご覧ください。
●まとめ
そういうわけで、パウロは間違っていませんでした。
アブラハム契約のはじめの締結から数えたのではなく、
ヤコブに契約が引き継がれ、確認が与えられたときから数えたので、430年になるということです。
終わり