ユダヤ教における天国と地獄 by ラビ・オル・N・ローゼ その3
ガン・エデンは、人の魂が永遠に住まう場所と考えられています。
そして、あるラビが死後に体験したガン・エデンの様子は、ルカ16:19の金持ちとラザロの譬えとそっくりの内容でした。
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●ゲーヒンノーム:ユダヤ教の地獄
平均的な人は、刑罰と浄化の場であるゲーヒンノームにくだる。
この名称は、エルサレムのすぐ南に位置するヒノムの谷(ゲイ・ヒノム)に由来する。
ヒノムの谷は、かつてカナン人が子供を生贄にした場所である(2列王記23:10)。
一部の者は、ゲーヒンノームは拷問と刑罰、炎と硫黄の場所だと考える。
他の者は、死者が人生を振り返り、過去の過ちを悔いる場として見る。
ゲーヒンノームにおける刑罰は、通常12カ月の浄化期間に限られており、
その後はオラム・ハ・バ(来るべき世)に移される(ミシュナー・エデュヨット2:9、シャバット33a)。
この12カ月の期限は、カッディーシュと呼ばれる死者のための祈りと嘆きの期間を反映している。
この期間が終わると、極悪人以外はエデンの園に昇ることが許される。
浄化期間後に魂がどうなるかについては、文献によって見解が異なる。
ある者は、悪者は完全に破壊させれ、消滅させられると主張する一方、他の者は永遠の呪いを受けると信じる。
●あとがき
上記のとおり、ユダヤ教の天国・地獄観は、必ずしも一定していません。
しかし先述したとおり、ラザロと金持ちの譬えと酷似する内容も見られます。
また、神殿崩壊後から中間時代に至る神学的変遷には、興味深いものがありました。
千年王国的思想が徐々に発展する様子が見られるからです。
ローマ11:25~26
終わり
次の動画は引用元に添付してあるもので、これまでの内容をまとめたものです。