「カエサルのものはカエサルに」 イエスの政教分離論
「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」
マタイ22:21
ここでローマ政府への納税を肯定すれば、ローマ帝国を憎んでいたユダヤ人たちの反感を買うことになる。納税を否定すれば、ローマの権力に逆らう危険な革命家ということになる。この状況でイエスは、驚きの回答を提示する。
「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」
彼らは、「カイザルのです。」と言った。そこで、イエスは言われた。
「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」
マタイ22:20~21
この見事な答えの中でイエスは、社会には異なる二つの領域があることを教えている。ひとつは政府であり、もうひとつは宗教である。
たとえば納税(カイザルのものはカイザルに返しなさい)は、政府の領域に属する行為である。教会はこの領域に関する事柄を統治すべきではない。一方、宗教に関すること(神のもの)について、政府は統治すべきではない。
群衆の中のひとりが、「先生。私と遺産を分けるように私の兄弟に話してください。」と言った。すると彼に言われた。「いったいだれが、わたしをあなたがたの裁判官や調停者に任命したのですか。」(ルカ12:13~14)
教会が国家の統治に参与べきでないのであれば、中世において多くの教皇が、王や皇帝に対して権威をふるったことは間違いだったと言える。
(引用終わり)
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