実によって見分けるとは? マタイ7:16
マタイ7:16
あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。
イエスさまは、「実によって見分けることができます」と言っていますが、
ここで言う「実」とは何のことでしょうか?
原文で見ると、「実」は複数形で書かれています。
ですから、見分けるポイントは複数だと考えた方がよいのです。
しかしこの箇所からわかることを要約すると、
その人の教えの内容とその実践(生活態度、行い)だと言えます。
①教え
どうしてそう言えるのかを説明します。
24節に「これらのことばを聞いてそれを行う者は…」とあるとおり、
イエスさまが「行い」という場合、教えに基づく行いを指しています。
言い換えると、教えと行いは不可分だということです。
「これらのことば」とは、
5章~7章前半に至るまでのイエスの教え(山上の垂訓)を指しています。
もう一つのヒントは、13節の「狭い門」という言葉です。
14節ではそれを言い換えて「いのちに至る門」と言っていますから、
「狭い門」というのが、やはりイエスさまの教えを指していることがわかります。
②行い
23節に「不法をなす者ども」とあります。
否定語の「ア」と「ノミア/律法」からできています。
ですから「不法をなす者」というのは、律法を破ったり無視する者のことであり、
他の人にもそうするように教える人のことを指します。
ですからライフスタイルが聖書の教えに反する働き人は、偽物だと言えます。
あなたは女と寝るように、男と寝てはならない。これは忌みきらうべきことである。
マタイ5:18でイエスさまは、
「天地が滅びうせない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません」
と言っていますから、レビ記の言葉もすたれていません。
しかし昨今、同性愛OKの牧師さんたちが登場しています。
中には「パートナー」と同居している人もいます。
そのようなライフスタイルは、アノミーアと言えるでしょう。
『主よ、主よ。私たちはあなたの名によって預言をし、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって奇蹟をたくさん行ったではありませんか。』
またイエスさまは22節~23節で、
上記の言葉と「不法をなす者ども」を結びつけています。
その理由は、次の箇所を意識しているからだと思います。
あなたがたのうちに預言者または夢見る者が現われ、あなたに何かのしるしや不思議を示し、あなたに告げたそのしるしと不思議が実現して、「さあ、あなたが知らなかったほかの神々に従い、これに仕えよう。」と言っても、その預言者、夢見る者のことばに従ってはならない。あなたがたの神、主は、あなたがたが心を尽くし、精神を尽くして、ほんとうに、あなたがたの神、主を愛するかどうかを知るために、あなたがたを試みておられるからである。
にせ預言者は、旧約時代においてもしるしと不思議を行ない、
主の民を偽りの神々に引き込んでいたようです。
そのためイエスさまは、
しるしと不思議を行う者たちとにせ預言者を結びつけているのだと思います。
注意すべきことは、本当に聖霊によって癒しや悪霊追い出しを行い、
預言を語る人々のことを指しているわけではないということです。
イエスさまご自身ほど、顕著なしるしと不思議を行った人はいないのですから。
●まとめ
教えとライフスタイルによって、にせ預言者やにせ教師を見分けましょう。
パウロも、教会指導者の中から「狼」が現れ、
「いろいろな曲がったこと」語ると警告しています。
私が出発したあと、狂暴な狼があなたがたの中に入り込んで来て、群れを荒らし回ることを、私は知っています。あなたがた自身の中からも、いろいろな曲がったことを語って、弟子たちを自分のほうに引き込もうとする者たちが起こるでしょう。