ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

聖書の権威

「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。」ヨハネ14:26

ローマ・カトリックプロテスタント教会の大きな違いは、聖書の位置づけにあります。

プロテスタント教会は、リベラル派は別として、聖書は原典において、執筆者らが聖霊の霊感によって一言一句を書いた誤りなき神の言葉として信じています。
 
それゆえ、聖書の言葉の権威=神の権威であり、聖書に対し、最高かつ唯一の権威を置いています。

しかしカトリック教会はどう考えているかというと、聖書は神の言葉だけれども、それを正しく解釈する教会の権威(法王の権威)があってこそ意味があるという立場を取っています。
 
つまり、聖書の権威と教会(法王)の権威が同等なのです。
 
現実的には、教会の権威のほうが上になっていると言っていいでしょう。

もし誰かが、聖書のこの部分は何の矛盾も問題もないことが書かれているから神の言葉だが、別の部分は矛盾や問題があるから神の言葉ではないとするなら、その人は神の言葉よりも、自分の解釈のほうに、より高い権威を置いているのです。

●人の罪
確かに聖書の解釈は容易ではありません。同じ日本人が書いた古典でさえ、現代人の私たちには理解できません。

まして聖書は、数千年前に異国で書かれた書物です。ほとんどのど書簡は、ユダヤ人(日本人ではない)によって書かれました。

現代人とは、歴史的文化的背景が大きく違います。考え方が違いますし、表現の仕方が違います。

私たちはみな、ヒューマニズム人間主義)の時代に成長しましたが、聖書の執筆当時は、人間の価値は今よりも低く考えられていたでしょう。

聖書は、知性においても無限である神の言葉であり、私たち人間は有限です。ある意味、受け取りにくいところがあってしかるべきです。

多少、聖書の教義がわかるようになっても、私たちクリスチャンはしょせん人間です。

自分の気に入らない部分を神の言葉ではないと切り捨てたくなる気持ちはわからなくもありませんが、それはあくまで人間の弱さではないでしょうか。

その人間の欠陥ゆえに、自分の判断を神の言葉よりも高い位置に置くことは、高慢以外の何ものでもありません。

そもそもアダムとエバの罪が、それと同質でした。

神は、「善悪知識の木からは取って食べてはならない」と言われました。
 
理由は、「食べるなら必ず死ぬ」というものです。

しかし人は、「それを食べるとあなたは神のように賢くなる」というサタンの誘惑に同調しました。

神の言葉よりも自分の判断を正しいと考えて、自分の判断のほうを選択しました。

言い換えれば、神の言葉の権威をあなどったのです。

その結果、神の言葉のとおり、人は霊的にも肉体的にも死ぬようになりました。

聖霊に対する不信/侮蔑
冒頭の御言葉にあるとおり、聖書は、聖霊がイエスの言葉や行動を、聖書の執筆者(イエスの弟子たち)に「思い起こさせて」書かせたものです。

ですから、たとえ一部分でも聖書を否定することは、この聖霊の働きを否定することであり、聖書の言葉にある神の権威をさげすむことにつながるのです。

上から目線で、ここは神の言葉だが、こっちは違うと判断するのですから、これは自分を神の言葉の権威よりも高い位置に置いているのであり、明らかに高慢でしょう。

同時に、執筆者がその部分を書いたときには聖霊が十分に働かなかったと判断するわけですから、聖霊に対する不信でもあるのです。

使徒の権威
ヨハネ9~10節に、デオテレペスという人物について書かれています。
 
彼は、ヨハネ使徒に逆らい、ののしっていました。

彼は使徒の指導よりも、自分を上位に置きました。それは、使徒を任命した神の権威に逆らうことです。

聖書の一部を否定することは、それを執筆した使徒の権威をさげすむことであり、デオテレペスと同質の罪ではないでしょうか。

しかし聖霊に本当に信頼するなら、神によって立てられた使徒の背後に働いている神の権威を認めることができます。

●イエス=神の言葉
ヨハネ福音書1章によれば、イエスは神の言葉です。
 
聖書の一部を否定することは、イエスのご人格の一部を拒否することです。
 
であれば聖書66巻の全体を聖霊が書かせたと認めてこそ、イエスのご人格の全体を愛することになります。
 
聖書を部分的にしか信じないのなら、イエスのご人格を部分的にしか受け取っていないのです。
 
私たちはへりくだり、聖書の背後にある神の権威をしっかりと認めた上で、聖書を受け取る必要があります。

聖書全体をありのまま受け入れてこそ、神の偉大さと人への恵みの大きさを余すことなく受け取れるのです。