天についての現実
巷のクリスチャンブログでは、相も変わらず天国や地獄へ行った体験談や、イエスによる直接啓示を著書にしたもの（ワグナーが言うところの「聖書外啓示」）が紹介され、そこで語られているメッセージに何の矛盾や疑問も感じることなく、信じ込まれているようです。
きりがないし馬鹿らしくもあるのでいちいち検証しませんが、この記事ではすでに聖書に書かれている天国への希望について考察してみたいと思います。
参考文献
New Bible Commentary by D A Carson
The Epistle To The Hebrews by F F Bruce
●すでに天に到達している
しかし、あなたがたが近づいたのは、シオンの山、生ける神の都、天のエルサレム、無数の天使たちの祝いの集まり、天に登録されている長子たちの集会、すべての人の審判者である神、完全なものとされた正しい人たちの霊、新しい契約の仲介者イエス、そして、アベルの血よりも立派に語る注がれた血です。（へブル12：22～24、新共同訳）
原典では「近づく」に当たるギリシャ語は完了形で書かれているので、新共同訳のように「近づいた」と訳すか、英語聖書のように「すでに来ている／have come」と訳すべきです。
But you have come to Mount Zion, to the heavenly Jerusalem, the city of the living God. You have come to thousands upon thousands of angels in joyful assembly
（ＮＩＶ、その他の版もみな同じ）
つまりへブル書の著者は、「あなたがたは、もう天国に到達している」と書いたのです。
参考文献の著者ブルースは、こうコメントしています。
「シオンへの大路」（詩篇84：5）を歩んでいる神の民は今のところ巡礼の民であるが、主の約束のゆえに、霊においてすでにそこに到着しているのである。
（P375）
この解釈はパウロの言葉とも一致します。
エペソ2：5～6
コロサイ3：3
あなたがたは死んだのであって、あなたがたの命は、キリストと共に神の内に隠されているのです。
●私たちの名は「天に登録されている」
へブル書の著者は、私たちクリスチャンは「天に登録されている」と言っています。これはルカ10：20のイエスの言葉と同じです。
ルカ10：20
ヨハネも黙示録で同じように言っています。
黙示録21：27
汚れた者、忌まわしいことと偽りを行う者はだれ一人、決して都に入れない。小羊の命の書に名が書いてある者だけが入れる。
私たちクリスチャンの名は天に記されており、天に登録されています。そしてそこに名が記されている者は、天の都に入ることができます。
●霊が完全なものとされる
天に行った信者の状態について、ジョン・パイパーは次のように書いています。
Our spirits will be made perfect .
There will be no more sin in us. We will be done with the inner war and the heartrending disappointments of offending the Lord who loved us and gave himself for us.
私たちの霊は、完全なものにされます。もはや私たちの内に罪（の性質）はなくなります。内なる戦いは終わりを告げ、私たちを愛しご自身を捧げてくださった主に逆らうことによる、心引き裂かれるような落胆も終わるのです。
引用サイト：
また参考文献の著者カーソンはこう述べています。
（P1351）
へブル10：14
なぜなら、キリストは唯一の献げ物によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。
●まとめ
巷の律法主義的な教えに惑わされないよう注意しましょう。敵は神の恵みを私たちから奪い、信仰ではなく行いに走らせて、私たちを苦しめようとしているのです。
しかし真の神の教えは恵みに満ちており、クリスチャンの救いの完成、天への凱旋を約束しています。
そしてこの神の言葉は、成就することなく空しく主のもとに帰ることはありません。
イザヤ55：11
そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。
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