第二正典(トビト書)の問題点
この書物には、少なくとも2種類の教理的問題があります。
①施し(募金)で死を回避できる
②魔術的な手段で悪霊追出しや目の癒しができる
以下にこれらを教える箇所を挙げます。
●死の回避
トビト書4:8、10
お前の財産に応じて、豊かなら豊かなりに施しをしなさい。たとえ、少なくても少ないなりに施すことを恐れてはならない。…10施しをすれば、人は死から救われ、暗黒の世界に行かずに済むのである。
(新共同訳・続編P4より引用)
このようにトビト書は、募金をするなら死を回避できると教えています。
しかし、言うまでもありませんが、施しをしても死を避けることはできません。
へブル9:27
そして、人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっているように、
死に勝利したのは、イエス・キリストだけです。
使徒2:24
しかし神は、この方を死の苦しみから解き放って、よみがえらせました。この方が死につながれていることなど、ありえないからです。
●魔術による悪霊追出しと目の癒し
次に、魚の内臓を使った魔術による悪霊追出し、悪魔祓い、目の癒しの箇所を抜粋します。
トビト書6:8・悪霊追出し
そこでラファエルは答えた。「魚の心臓と肝臓は、悪魔や悪霊に取りつかれている男や女の前でいぶしなさい。そうすれば、悪霊どものどんな力も消えてしまい、今後一切その人に及ぶことはありません。
トビト書6:9・目の癒し
胆のうは、目にできている白い膜に塗り、その部分に息を吹きかけなさい。そうすれば、目は良くなります。」
トビト書6:17~18・悪魔祓い
初夜の床に入るとき、魚の肝臓と心臓を持って行き、香をたいてその上に置きなさい。そうすれば、においが立ちこめ、悪魔はそれをかいで逃げ出し、二度とあの娘のところには姿を現すことはないでしょう。…彼女を悪魔から救い出すのはあなたであり、彼女はあなたと生涯を共にするのです。…
トビト書8:2~3・悪魔祓い
トビアはラファエルの言葉を思い出し、魚の肝臓と心臓を袋から取り出し、香をたいてその上に置いた。魚のにおいが悪魔を追い払い、悪魔はエジプトの方へ逃げて行った。そこでラファエルは後を追い、悪魔を捕らえて、その場で手足を縛り上げた。
トビト書11:8・目の癒し
魚の胆のうを目に塗ってあげなさい。それが薬となって、白い膜は縮み、目からはがれてしまいます。そしてお父上は視力が回復して再び光を見ることができるのです。」
(新共同訳・続編P6~P10より引用)
ラファエルなる天使は6:8で、魚の内臓を悪霊に憑かれた人の前で「いぶしなさい」と教えています。
そうすれば悪霊の力が消えると。
カプニゾーは「煙を出すために燃やす」という意味の言葉ですから、トビト書6:8の行為は紛れもなく魔術です。
●おわりに
このようにトビト書には、非聖書的な記述が多数含まれています。
このような書物を正典として信じることは、プロテスタントでは考えられません。
こういった行為を信じる団体はカルトです。
聖書に従うなら、こうした行為を教える「ラファエル」なる天使は、光の天使に化けたサタンです。
2コリント11:14
しかし、驚くには及びません。サタンさえ光の御使いに変装するのです。
おわり