聖書の無誤性、霊感、他
過去記事「第二正典は「聖書」のうちに入りません!」を読まれた方から、とてもよいご質問をいただきました。 ユダの手紙の中で、著者のユダは、第一エノク1:9から引用をしてます。 それは、エノク書が霊感を受けた正典だからでしょうかというご質問です。…
私は先日、キリスト教動画サイト「STONE OF DAVID」を知りました。 このサイトは、いわゆる「新しい啓示」を広めています。 神の啓示を受けたとする海外の信者の動画に、日本語の字幕をつけて公開しています。 一例として、「7歳の少女が見た終末・地獄・…
シラ書の矛盾については以前にも書きました。 前回述べたとおり、カトリックや正教会はシラ書を聖書の一部として信じています。 しかし今回取り上げる箇所にも、あからさまな矛盾が見られます。 シラ書25:26 妻がお前の指図に従わないなら、彼女と縁を切れ…
カトリックや正教会は、外典の「トビト書」を聖書として信じています。 この書物には、少なくとも2種類の教理的問題があります。 ①施し(募金)で死を回避できる ②魔術的な手段で悪霊追出しや目の癒しができる 以下にこれらを教える箇所を挙げます。 ●死の…
聖書の原文に隠喩による表現が使われている場合、それを直訳しても意味が伝わらない場合がしばしばあるはずです。 その原文の筆者が聖霊の導きでその隠喩を使ったとすれば、聖書を翻訳する場合、その隠喩をどう扱うべきなのでしょう。 別の言語に訳した場合…
この記事では、外典の一つでカトリックと正教会が聖書に含めているシラ書の問題点を取り上げます。 シラ書3:3~4 父を尊べば、お前の罪は償われ、同じく母を敬えば、富を蓄える。 シラ書3:30 水が燃え盛る火を消すように、施しの業は罪を償う。 (共に新…
「巡礼者の小道」は以前、健全で優良なクリスチャン・ブログでした。 しかし、近ごろは迷走しているようです。 ブログ筆者はプロテスタントの「聖書のみ」の原理を否定し、カトリックの教理を受け入れようとしています(事例)。 私ダビデは、第二正典は「…
イエスさまや1世紀のクリスチャンたちは、どのような聖書を読んでいたのでしょうか? この動画を見ると、プロテスタントの「聖書のみ」という原理が正しいことがわかりがます。 1世紀に流通していた聖書の形態や、キリストや使徒の正典に関する姿勢を探る…
福音書を書いたマタイは、その中で非常に多くの旧約聖書箇所を引用しています。 その中の12回に、「成就するためであった」「成就した」(ギ:プレロオー)という表現が見られます(参考サイト)。 そのようにしてマタイは、イエス・キリストが旧約聖書を成…
皆さんは間隙説(断絶説)という学説をご存知でしょうか? ごく簡単に説明すると、創世記1:1と1:2の間に長期的な時間的ギャップが存在するという学説です。 人によっては、その長期的な期間に、いわゆる進化が起きたと考えます。 間隙説とその詳細は、安…
前回の記事の第一の目的は、あくまでも情報の提供でした。 そのために、ボックの釈義論を中心に記事を書きました。 しかし今回は、聖書に照らして具体的に問題点を指摘したいと思います。 *** ある日本人神学者の方は、ブログの中で次のように論じておら…
ある日本人神学者が、使徒たちは聖書をどう読んだか(4)というブログ記事で、聖書釈義について論じています。 その神学者の方は、従来、福音派がとってきた「歴史的文法的解釈」に対する疑問を呈しています。 その一方で、米国福音主義神学界の異端児ピー…
聖書は間違いなく、神の言葉です。 過去記事の前編・後編でも述べたとおり、私はこの点を否定するつもりは毛頭ありません。 しかし、このあと引用する神学的説明には違和感を感じます。 日本でも屈指の神学者である宇田進先生は、「実用聖書注解」(いのち…
年末に、ヨハネ16:13を巡って「ダビデの日記」を批判していたブログが、そのテーマに関する新しい投稿をしました。 その投稿では、「良いディスカッション」という記事で私が犯した不注意なミスが指摘されています。 そのミスの反省の意味を込めて、この箇…
マルコやルカの福音書は、情報源となった目撃証言者が誰であるかを明示しています。 福音書の筆者らが、インクルーシオと呼ばれる技法によってそれを示しているからです。 このインクルーシオを知ることにより、福音書が確かな証言に基づいた真実な内容であ…
ミクさんは、ご自分がしていることの意味がわかっていないようですので、この記事を書くことにしました。 ミクさんはその後、初代の使徒たちの間に教理的な分裂があったと主張するようになりました。 もし、彼らの間に教理的分裂があったとしたら、それが何…
「残念な批判記事」にまつわる一連のやり取りを通して、良いディスカッションが生まれていると思います。 皆さんが投げ掛けてくる疑問は、「聖書の現象」に通じるものがあると思います。 例えば、皆さんのコメントの中で重複してたものの中に、四福音書の内…
●新約聖書の権威 このように、キリストの権威と言葉を借りることで、循環論法に陥ることなく旧約聖書が神の言葉であると論じることができます。 しかし、これまで述べたことは、旧約聖書に関してだけです。 新約聖書の権威は、どう説明すればよいのでしょう…
聖書の無誤性を批判された場合の対処について、書きたいと思います。 特に、キリスト教進歩主義などから出てくる批判として、福音派の聖書論は「循環論法」にすぎないという批判があります。 以前にも当ブログで取り上げた進歩主義者が、ブログで次のように…
聖書観についての記事です。 2テモテ3:15~16 また、幼いころから聖書に親しんで来たことを知っているからです。聖書はあなたに知恵を与えてキリスト・イエスに対する信仰による救いを受けさせることができるのです。聖書はすべて、神の霊感によるもので、…
聖書の無誤性が非難される場合、往々にして聖書中の非科学的な表現が引き合いに出されます。 現代に生きる私たちは、地球が太陽の周囲を公転しているのであって、その逆ではないことを承知しています。 ですから懐疑論者は、あたかも太陽が地球の周りを回っ…
少し前のことになりますが、「聖書信仰と諸問題」という良書を読みました。どのような本か知りたい方のために、記事を書きます。 まず目次を掲示し、その後、私の拙い感想~書評とは言えません~を述べさせていただきます。尚、書評を読みたい方は、私が知…
趣向をを変えて、最近の記事とは少し違うことを書きました。 クムラン遺跡の発掘は、七十人訳の翻訳が正確であったことの証明につながりました。 アンサーズ・イン・ジェネシスの記事から抄訳します。 死海文書は、聖書の信頼性に関するもう一つの問題にも…
前回の記事で取り上げた批判の事例に、次のようなものがありました。 ノアの方舟を字義どおり歴史的に起きたとするのは流石に無理があるでしょう。 1. 6章は2匹ずつ、7章は特定の動物を7匹ずつ、という違いがある。 2. 陸で別れていた動物がどうやって来た…
「ギルガメシュ叙事詩」は「聖書の現象」ではありませんが、ノアの箱舟の聖書記事を批判する材料になっているため、前回の記事との絡みで記事にしておこうと思います。 批判の一例として、あるキリスト教進歩主義の方はSNS上でこう語っています。 ノアの方…
この記事は、保守的福主義団体ゴットクエスチョン・ミニストリーズの記事「What is the Septuagint?」の翻訳です。 前回の投稿と同じような内容ですが、述べられていることが確かであることの確認になればと思い投稿します。 ☆ ☆ ☆ 七十人訳聖書(別名:セ…
この記事は「What Bible Did Jesus Use?」というサイトの抄訳です。 ☆ ☆ ☆ もし、あなたが衆人環視の中に置かれて、「聖書が正しいと言える『根拠』はなんですか?」と言われたら、あなたはどう答えるだろうか。 それに対する最も良い答えは、同様の状況に置…
シカゴ声明は聖書の無誤性を擁護する素晴らしい条文ですが、人間が考えたものである以上、欠陥があるのは仕方のないことだと思います。 私は、聖書の無誤性そのものを否定するつもりはさらさらありませんが、シカゴ声明の一部に疑問があるので、それを記事に…
注意: 日本語訳に誤記(あるいは誤訳)や脱落がみられるため、ブログ主による脚注と補足がされている。また「主張する」と訳されている英語には「肯定する」という意味がある。 主張と否定の諸条項 1 聖書は権威ある、神のことばとして受け取られるべきで…
要約声明 1 ご自身、真理であり、真理のみを語られる神は、聖書を霊感された。それによって、神を離れた人類に、創造者、主であり、贖い主、審き主であるイエス・キリストによって、ご自身を啓示するためである。聖書は神ご自身について神ご自身によるあか…