ダビデの日記

自分が学んだ聖書の教えに関するブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

「赦しました」それとも「赦します」? マタイ6:12

Kirishinの【聖書翻訳の最前線】新改訳2017 9「主の祈り」を読みました。 マタイ6:12の新たな訳文の話です。 新改訳 私たちの負いめをお赦しください。私たちも、私たちに負いめのある人たちを赦しました。 新改訳2017 私たちの負い目をお赦しください…

「霊において貧しい者たち」に関する考察 マタイ5:3

取り上げる順番が逆だろと言われそうですが、今更ながらマタイ5:3です。 聖書協会共同訳 心の貧しい人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである。 直訳「霊において貧しい人々」 新改訳2017 心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのも…

ローマ12:1と1ペテロ2:2の訳語に関する考察

表題にある2つの聖句には、様々な訳文があります。 日本語としては、どれも意味が異なります。 どうしてこのような事が起こるのでしょうか? まずは、ローマ12:1から見てみましょう。 聖書協会共同訳 こういうわけで、きょうだいたち、神の憐れみによって…

聖書協会共同訳に対する私の疑念

この記事は、2つの過去記事のスピンオフのようなものです。 前半はピリピ3:9に関する記事を準備していたときに気づいたことであり、後半はローマ3:21~28に関する記事を準備していたときに思わされたことです。 ●ピリピ3:8の名詞の属格 まずはピリピ3:8に…

ピスティス・クリストゥの解釈に関する考察

前回の投稿で、私はピスティス・クリストゥを「キリストへの信仰」と解することが可能であると述べました。 こうした解釈の仕方を客体的解釈(キリストを信仰の客体として解釈すること)と呼ぶことにします。 それに対して、私が挙げた根拠では不十分だとの…

聖書協会共同訳・翻訳委員会の内情

前回の記事を読まれた方から情報提供がありました。 それは聖書協会共同訳の翻訳委員をされた阿部包(あべつつむ)氏といわれるカトリック系聖書学者の講演録でした。 読んでみたところ、聖書協会共同訳・翻訳委員会の内情の一端が垣間見えたような気がしま…

聖書協会共同訳のおかしな訳文 フィリピ3:9

聖書協会共同訳のピリピ書を読んだところ、おかしな訳文に出くわしました。 それはフィリピ3:9(ピリピ3:9)です。 聖書協会共同訳フィリピ3:9 キリストの内にいる者と認められるためです。私には、律法による自分の義ではなく、キリストの真実による義、そ…

聖書協会共同訳の恥ずかしい誤訳 ローマ1:17

聖書協会共同訳のローマ1:17は、次のように訳されています。 聖書協会共同訳 神の義が、福音の内に、真実により信仰へと啓示されているからです。「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。 (強調はブログ主) 通常、この箇所は次のように…

聖書協会共同訳・ヨハネ11:33の別訳に関する考察

聖書協会共同訳のヨハネ11:33を見たところ、別訳の表現が斬新でした。 聖書協会共同訳・ヨハネ11:33 イエスは、彼女が泣き、一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのを見て、憤りを覚え、心騒がせて、34言われた。 「憤りを覚え」の部分には注が付いており、…

女の髪=かぶり物? それとも、覆いの代わり?     新改訳2017vs聖書協会共同訳

1コリント11:15を新改訳2017と聖書協会共同訳で比較してみたところ、ほぼ真逆の意味に訳されていることがわかりました。 新改訳2017 女が長い髪をしていたら、それは彼女にとっては栄誉なのです。なぜなら、髪はかぶり物として女に与えられている…

新改訳2017と従来版におけるパルースィアの比較

新改訳2017を調べてみたところ、ギリシャ語パルースィアの訳語が改善されていることに気づきました。 従来の新改訳では、パルースィアは「キリストの再臨のとき」「主が再び来られるとき」などと意訳されていましたが、 最新版では「来臨」と直訳される…

パウロ書簡におけるストイケイオン その3

*一部に加筆・修正あり。 最後に取り上げる学説は、「宗教的原則説」です(英語:Religious Principles)。 ガラテヤ教会やコロサイ教会には、律法の誤用や哲学の影響、異邦人発祥の諸宗教の教えが入り込んでいました。 宗教的原則説によると、それらを総括…

パウロ書簡におけるストイケイオン その2

第2回目は、ストイケイオンが悪霊を指すとする説です。 新改訳2017は、まさにその立場に立って訳しているようです。 新改訳2017・ガラテヤ4:3、9 3同じように私たちも、子どもであったときには、この世のもろもろの霊の下に奴隷となっていました。…

パウロ書簡におけるストイケイオン その1

*一部加筆あり 新改訳2017は、コロサイ2:20~21を次のように訳しました。 新改訳2017 もしあなたがたがキリストとともに死んで、この世のもろもろの霊から離れたのなら、どうして、まだこの世に生きているかのように、「つかむな、味わうな、さわる…

「聖書協会共同訳」で改善されたと思う箇所 ローマ10:11

今回は、聖書協会共同訳で翻訳が改善されたと思う箇所について書きます。 それはローマ10:11です。 聖書協会共同訳 主を信じる者は、恥を受けることがない。 さて、従来の邦語訳とどこが違うのでしょうか。 新共同訳 聖書にも、「主を信じる者は、だれも失…

カルト集団RAPTの脱会者の証言 その2

当ブログでは昨年末、カルト集団RAPTの脱会者による証言という記事を掲載しました。 それを読まれた別の脱会者の方から、RAPTに関する情報をいただきました。 RAPTによる被害を少しでも減らすため、その方の許可を得た上で、その情報を公開いたします。 以…

「霊」と「御霊」 どちらが正しい訳語? ヨハネ4:24

今回はヨハネ4:24の訳文について書こうと思います。 邦語訳のこの箇所は、それぞれ以下のように訳されています。 新改訳2017 神は霊ですから、神を礼拝する人は、御霊と真理によって礼拝しなければなりません。 新改訳・第三版 神は霊ですから、神を礼…

携挙のタイミング=「万物の改まる時」

この記事では、使徒3:17~21の内容に照らし、携挙と再臨のタイミングについて考えたいと思います。 まずは、この箇所の内容を見てましょう。 使徒3:19~21 17 ですから、兄弟たち。私は知っています。あなたがたは、自分たちの指導者たちと同様に、無知のた…

「聖書協会共同訳」で良いと思った訳語        「贖いの座」ローマ3:25

今回は、聖書協会共同訳の翻訳が良いと思った箇所について書きます。 それは、ローマ3:25の「贖いの座」という訳語です。 聖書協会共同訳 神は、イエスを立てて、その真実によって、その血による贖いの座となさいました。それは、これまでに犯されてきた罪を…

「聖書協会共同訳」で翻訳者のエゴが現れた箇所

今回は、聖書協会共同訳のローマ3章の検証です。 少し長いのですが、3:21~28を書き出してみました(P272より)。 ローマ3:21~28 21しかし今や、律法を離れて、しかも律法と預言者によって証しされて、神の義が現されました。22 神の義は、イエス・キリス…

主の日=大患難期?

クリスチャンの中には、「主の日=大患難期」と信じる人が少なくありません。 牧師先生方がそう教えるのですから、無理もありません。 聖書は、「主の日」についてどう教えているのでしょうか? ネット上で活躍する牧師さんたちの事例を挙げて、この問題を検…

誰の信仰なのか? へブル11:11

KiriShinの連載記事「聖書翻訳の最前線」新改訳12によると、新改訳聖書2017(最新版)のへブル11:11は次のように翻訳されました。 新改訳・最新版 アブラハムは、すでにその年を過ぎた身であり、サラ自身も不妊の女であったのに、信仰によって、子を…

「聖書協会共同訳」で改善された箇所 ヤコブ4:5

これまでの記事では、聖書協会共同訳によって聖書翻訳が改悪された箇所を取り上げてきました。 しかし今回は、改善された箇所を取り上げます。 ●ヤコブ4:5 少し長いのですが、文脈の中でヤコブ4:5を見ておきましょう。 新改訳1970 1 何が原因で、あな…

「御心に適う人」とはどんな意味? ルカ2:14

クリスマスの説教で、この箇所がテキストになった教会は少なくないのではないでしょうか。 「御心に適う人」とは私たちクリスチャンのことですが、「御心に適う」というのはどのような意味でしょうか? 新共同訳・ルカ2:14 「いと高きところには栄光、神に…

「聖書協会共同訳」の辻褄が合わないガラテヤ3章

聖書協会共同訳のガラテヤ3章を読んだところ、途中からおかしな訳文になっていることに気づきました。 3章の序盤ではギリシャ語のピスティスを「信仰」と訳しているのですが、終盤では「真実」と訳しているのです。 そのため、序盤と終盤の間に論理のズレ…